2008年 印象に残った本
☆佐藤可士和の超整理術 佐藤可士和
今をときめくアートディレクターの整理術?と不思議に思いつつ手に取った本。
単なる「モノを片付ける」整理術に留まらず、情報や思考の整理術。引いては
いかにして生活を快適にするかについて書かれています。これは単なる整理術
の本ではなくて、優れた仕事術の本だと思った一冊。
☆はじめての課長の教科書 酒井穣
オランダでMBAを取得した著者は、欧米の経営理論には「経営層(支配者」と
「従業員(被支配者)」の二元論しかなく、日本における中間管理職の概念が
ないため、そのまま日本において適用するのは無理があると指摘しています。
そして中間管理職である「課長」に必要なスキルがリアルに説明されている本。
日本の中間管理職制度は、むしろ日本企業強みであると書かれています。
☆四〇歳からの勉強法 三輪裕範
初めて手に取った著者の本は「ハーバードビジネススクール」でした。
当時、「いかにしてビジネススクールに受かるか」しか書いていない本や体験談
ばかりだった中で、仕事をしながら受験して、その後の学生生活、MBAから何を
学んだのか、が誠実に書かれた良書で、社会人受験生時代は繰り返し読んで
いました。
この本は、さて何かと忙しいビジネスマンがいかにして「勉強」すればいいか、
いまさら人に聞けない疑問などに答えてくれる本。いわゆるノウハウ本ではなく、
ビジネスマンの実体験に基づいて書かれているので、参考になる点が多い本。
☆コレステロールと中性脂肪で薬は飲むな 大櫛 陽一
~メタボ検診のウソにだまされるな。コレステロールが低いほど死亡率が上がる~
という帯のコメントに勇気づけられる本
メタボ検診では、ウエストまわりが男性85センチ以上、女性90センチ以上はメタボと
診断されるこの個人差を無視している基準以外にも、測る位置もおかしいなど
不可思議な点が多いと医師でもある著者は指摘する。
背景を探っていくと、基準を決めた学会のボスとメタボ薬を販売する製薬会社の
癒着、厚労省から製薬会社への天下り、薬の副作用情報の隠ぺいなど、構造的な
問題があると指摘しています。
結論として、ちょいメタボの方が長生きするそうです。そうとはいえ、太りすぎは良く
なく、自分の体を守るノウハウも書かれています。
☆未来を予見する「5つの法則」 田坂 広志
過去と未来は「らせん構造」で繋がっている。
手紙とE-mailを比較して、「消えていったもの」、「これから現れるもの」を読者に
語りかけるように書かれています。読んでいて、心が静かに落ち着く本です。
☆ハーバードからの贈り物 デイジー・ウェイドマン
ハーバードビジネススクールでは、最後の講義のときに教授が学生にスピーチを
するのが慣例だそうです。この本はそのスピーチをまとめたもの。生きること、
学ぶことなどについて、普段の講義から離れての話の内容はとても深く、心に
響く素敵な贈り物です。
☆大人の見識 阿川弘之
この人の本を初めて読み、その美しく洒脱な日本語に魅了されました。
海軍のこと、イギリス人のユーモア精神、ノブレス・オブリージュ、孔子について。
この本の中で紹介されていたのが、「遥かなるケンブリッジ」と「自由と規律」
☆遥かなるケンブリッジ ~一数学者のイギリス~ 藤原正彦
新田次郎と藤原ていの次男である著者は、数学者であると共にシニカルな
ユーモアのある文章を書くエッセイストでもあります。研究員としてイギリス・
ケンブリッジで家族と過ごしたときの話が書かれている本。
「一応ノーベル賞はもらっている」と話す学者が、そこかしこにいるケンブリッジ
で見て触れたイギリス文化が紹介されている。自虐的でもあるイギリス・ユーモア
はどこから来るのだろうか?
☆自由と規律 ~イギリスの学校生活~ 池田 潔
上記の疑問に答えてくれるのは、英国パブリックスクール、ケンブリッジ
に学んだ著者が昭和24年に出版したこの本。当時のパブリックスクールでは、
冬も窓を開けて毛布一枚で寝ることが決められており朝起きると毛布の上に
うっすらと白い雪が積もっていることもあるという。自らを外に置く、イギリス紳士
のユーモア(紳士たるものが身につけるべきもの)の由来が理解できる。
★これから読む本★
★映画★
☆フリーダム・ライターズ
素敵なコーチ仲間Nちゃんお勧めの映画で、今年一番ジーンときた。
ロス暴動から2年後のロス郊外の荒れた高校に赴任してきた新人女性教諭が、人種ごとに対立
する生徒たちに、日記を書かせて自分と向き合わせることで状況を変えようと奮闘する実話に
基づいた映画。前例もなく、周りの教師の協力も得られない中、自分の信念を貫いて進んで
いく姿にあこがれる。
★ブログ★ うちの3姉妹
心和む、3姉妹の日常がコミカルに描かれたオススメブログです。
★写真集★ Terrace Design
ひたすら、テラスの写真ばっかり。ここに自分の身を置いたらどうだろう?と想像するのが
楽しく、ワクワクする写真集。
自分も、皆さんも2009年はどんな本に出会うのでしょうか?
楽しみですね
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